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令和2年4月1日に「動物の愛護及び管理に関する法律(以下「動物愛護管理法」)」が改正されました。その後移行期間を経て、環境省令第7号により「第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法の基準」が定められ、令和3年6月1日より施行されることとなりました。
令和3年6月1日より施行される環境省令第7号では、各動物取扱業者が遵守する基準のみならず、獣医師との連携についても規程される部分があり、これについて以下のとおり解説します。
なお、環境省より「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針~守るべき基準のポイント~」が公開されており、こちらも併せてご参照下さい。
動物愛護管理法では以下の点において、動物取扱業者と獣医師の連携が必要とされています。
1)動物の疾病等に係る措置に関する事項
参照法令:動物愛護管理法環境省令第7号第二条四ハ 一年以上継続して飼養又は保管を行う犬又は猫については、毎年1回以上獣医師による健康診断(繁殖に供する場合にあっては、繁殖の適否に関する診断を含む。)を受けさせ、その結果を記載した診断書を五年間保存すること |
ポイント 動物取扱業者が取り扱う動物は年に1回以上の健康診断が義務づけられています。健康診断の診断項目や診断書の見本は環境省ホームページに掲載されていますので、参照して下さい。
ポイント 繁殖に供する個体は雌雄とも繁殖の適否に関する診断を受けることが義務づけられています。健康診断を実施する際に発行する診断書にその旨を記載する等をお願い致します。
2)動物の展示または輸送の方法に関する事項
参照法令:動物愛護管理法環境省令第7号第二条四ヘ 動物が疾病にかかり、又は傷害を負った場合には、速やかに必要な処置を行うとともに、必要に応じて獣医師による診療を受けさせること。 |
ポイント 動物の輸送後には2日間以上の観察が求められており、その間に異常(健康上の問題)が認められた場合、獣医師の診断などを含む必要な処置を行うことが必要となります。獣医師は求めに応じて必要な処置等の実施をお願い致します。
参照URL:環境省ホームページ
3)動物を繁殖の用に供することができる回数、繁殖の用に供することができる動物の選定その他の動物の繁殖の方法に関する事項
参照法令:動物愛護管理法環境省令第7号第二条六ト 販売業者、貸出業者及び展示業者にあっては、販売、貸出し又は展示の用に供するために犬又は猫を繁殖させる場合であって、帝王切開を行う場合にあっては、獣医師に行わせるとともに、出生証明書並びに母胎の状態及び今後の繁殖の適否に関する診断書の交付を受け、これらを五年間保存すること。 |
【その他参考情報】
参照法令:獣医師法第18~19条 (診断書の交付等) 第十八条 獣医師は、自ら診察しないで診断書を交付し、若しくは劇毒薬、生物学的製剤その他農林水産省令で定める医薬品の投与若しくは処方若しくは再生医療等製品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第九項に規定する再生医療等製品をいい、農林水産省令で定めるものに限る。第二十九条第二号において同じ。)の使用若しくは処方をし、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証明書を交付し、又は自ら検案しないで検案書を交付してはならない。ただし、診療中死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。
(診療及び診断書等の交付の義務) 第十九条 診療を業務とする獣医師は、診療を求められたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。 2 診療し、出産に立ち会い、又は検案をした獣医師は、診断書、出生証明書、死産証明書又は検案書の交付を求められたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。 |
ポイント 動物取扱業者が取り扱う動物のうち、繁殖に供した動物を帝王切開等実施した場合は、動物取扱業者は出生証明書や診断書の発行を受け、これを5年間保管することとされています。獣医師はこの求めに応じて診断や各種証明書等の発行が義務づけられていますので、必要な対応をお願い致します。
ポイント 出生証明書については、獣医師が自ら出産に立ち会った場合でなければ交付できません。
参照URL:環境省ホームページ
令和3年4月16日より、動物愛護管理行政に関するお問合せ窓口を設置しております。(環境省)
電話番号:0120-323-750(受付時間:9時30分~18時00分 ※土日祝日を除く)
参照URL:環境省ホームページ