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先端技術で未来に貢献する
「株式会社ザイナス」は、大分市に本社を構えるIT企業です。「もっといいシステムで、もっといい明日を」をミッションに掲げ、先端テクノロジーを駆使して、地域社会やそこに暮らす人々のより良い未来に貢献することを目指しています。同社は2018年より大分大学を拠点に、ドイツの大手のソフトウェア企業SAP社と共同で、防災減災プラットフォーム「EDiSON」のシステム構築に取り組んできました。このプロジェクトが契機となり、2024年4月には日本国内およびアジア初の「SAP® AppHaus Network」の認定を受け、「Zynas AppHaus Oita」を開設。デザインシンキングを活用し、ビジネス上の課題を本質から発見し、IT技術で解決に導く活動に着手しています。
沼澤幸恵さんは、2023年11月に中途入社しました。高校卒業から20年以上にわたり小売業界に従事しましたが、2020年から拡大した新型コロナウイルスの影響が小売業界を直撃したことや、40歳という節目の年齢を迎えたことをきっかけに、「自分自身を見つめ直す時間を持とう」と退職を決意。退職後、様々なセミナーに参加し、自己研鑽を繰り返す中、ザイナスグループ代表取締役社長の江藤彰悟さんがチェアマンを務めている、地方からイノベーターを育成するワークショップ「Oitaイノベーターズコレジオ(OIC)」を受講したことで、同社への入社を決意しました。「数多くのセミナーに参加しましたが、最も心に響いたセミナーがOICでした」と振り返ります。
教育部に所属する沼澤さん。県立高校で開講した、スタンプラリーやアンケートなどの観光施策をデジタルに置き換えたプラットフォーム、「Taview(タビュー)」を活用した地域活性化体験授業や、無意識の偏見に対する理解を高め、意識向上を促す大分県主催の「アンコンシャス・バイアス気づき発信プロジェクト」の運営サポートなど、現在取り組んでいるプロジェクトは多岐にわたります。前述のOICにも、ファシリテーターとして立場を変えて参加。受講生のサポートにも尽力しています。
様々な活動の中でも沼澤さんが最も力を入れているのは、同社が部署の垣根を越えて取り組んでいる「Zynas AppHaus Oita」です。これはデザインシンキングというユーザー視点に立つ思考法で、本質的な課題やニーズを発見し、ITシステムで解決するプロジェクトのこと。顧客の課題や問題を一緒に深掘りし、試行錯誤の末に最適なものを提案するプロセスに大きなやりがいを感じているそうです。
前職を辞める際には、20年以上働いていて愛着もあり、好きな仕事だったため踏ん切りがつかず、決断までに2年以上かかったという沼澤さん。しかし勇気を出して一歩踏み出したところ、今では「自分の人生が切り開かれているという実感がある」といいます。入社して9カ月、まだ挑戦を始めたばかりということもあり、上手くいかないことも多いそうですが、できないことを嘆くのではなく、今までの経験が生かすことを意識しながら日々を前向きに過ごしています。「退職時に思い描いた道が、徐々に変化しつつあることが意外であり、また面白く感じています、今は新しい道を全力で楽しみたいと思っています」と大きな決断の結果に満足していることを教えてくれました。
沼澤さんが所属する教育部は、ソフトウェアやシステム設計を担当するシステムディベロップメント事業部の一部となっており、その事業部長を務めるのが河野公博取締役です。河野さんは「システムエンジニアには淡々と仕事をする人間が多い。彼女は持ち前の明るい人柄で、部署内の雰囲気を一変させてくれた」と、沼澤さんのキャラクターを高く評価しています。
普段は東京支社を拠点に活動しながら、大分本社に勤務するメンバーの統括もしている河野さん。ザイナスはフルフレックス制度を導入し、5時から22時の間で自由に出社・退社が可能な勤務形態をとっており、特に東京支社のメンバーは、ほぼリモートワークによる在宅勤務を選択しているため、プロジェクトの進捗確認や部下のサポートはIT企業らしく、デジタルツールを活用して行っているそうです。「社員の自主性を尊重する分、勤怠やタスク管理は他社より厳格に行っています。また、部下が孤立しないように、リモート朝礼やチャットなどを活用して積極的にコミュニケーションを図っています」と、アナログな対応の重要性も教えてくれました。
同社が推し進める業務のデジタル化は、働く女性にも恩恵をもたらしています。必ず勤務しなければならない時間帯を設けず、月の所定労働時間を満たせば良いフルフレックス制度は、自身のライフスタイルに合わせて働き方をカスタマイズできるだけでなく、年齢などの利用制限がない短時間勤務制度も組み合わせることで、育児や介護などにも柔軟に対応することができると好評です。またセキュリティ対策を施された、パソコンの貸与が行われており、子どもの急な発熱などにも休みを取ることなく、リモートワークで働くという選択肢が用意されています。実際、育児中の女性の大半はリモートワークを選択しているそうです。業務のデジタル化に加え、男性育休や有給休暇取得の奨励など、子育てしながら働きやすい環境づくりが整備されていることが評価され、2020年には「くるみん認定」を取得しています。
河野さんは今後の目標として、企業のダイバーシティ化推進を掲げています。様々な文化や新たな知見を取り入れていくことが、企業としての成長につながると言います。さらに現在、23.5%と国内企業の平均値の2倍以上の割合で存在する女性管理職も引き続き積極的に登用していく方針です。適正に合わせてキャリアアップの打診をすることはもちろん、女性の人生設計に合わせて明確なビジョンを提示することで、キャリアアップに対して、「無理かも」ではなく「できるかも」と前向きにとらえられるように気を配っています。
企業名 | 株式会社ザイナス |
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事業内容 | システム開発、テクニカルサポート、人材開発 |
設 立 | 2018年 |
所在地 | 〒870-0839 大分市金池南1丁目5-1 |
TEL | 097-547-8639 |
URL | https://zynas.co.jp/ |
※ 2024年9月現在