令和6年5月7日知事定例会見
動画はYouTube「おんせん県おおいた公式」へ
日時:令和6年5月7日(火曜日)13時30分~
場所:第一応接室
記者会見時に配布した資料を掲載します。
ゴールデンウィーク期間中の観光動向調査結果について
昨年5月8日に新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類に移行し、今年は行動制限のないなかでの調査結果になります。
県内の主要観光施設、屋外15施設、屋内14施設の計29施設の入場者数が38万1千人(昨年度比5.2%増)、主要宿泊施設49施設の宿泊客数は約7万3千人(同15%増)になっております。
交通機関につきましても、空路については大分空港の旅客数が2万7千人(同14.4%増)、フェリー航路の上陸者数が4万2千人(同1.9%増)ということであります。
天候に恵まれない状況があり、一部、入場者数が伸びない屋外観光施設もありましたが、全体としては宿泊客数や屋内観光施設の入場者数が好調だったことにより、いずれも昨年度を上回る結果となっています。
新型コロナウイルス感染症の5類への移行や円安の進行、そして福岡・大分デスティネーションキャンペーンの効果などがあったと思いますが、関係者の皆さんの不断の努力、おもてなしのおかげだと思います。改めて感謝したいと思います。
各地におけるイベントでも多く賑わいを見せていたと思います。詳細についてはこの後、担当課長より説明します。
観光施設の入場者数では城島高原パークが昨年6位から3位に躍進、全体としては雨がしのげる施設の伸びが良かったと感じます。
令和元年度比ではマイナスが大きいですが、令和元年度は10連休で平日が1日もなかったためであり、その要因を除けば、コロナ前の水準に戻った結果と言えます。
配 布 資 料: ゴールデンウィーク観光動向調査結果 [PDFファイル/340KB] [PDFファイル/138KB]
令和5年度移住者数について
令和5年度の移住者数は1,714人となり、過去最多であった令和4年度の1,508人を上回り過去最多を更新し、平成29年度から7年連続の1,000人超えとなりました。
市町村別では、大分市が2年連続1位となる229人、続いて日田市が226人で2位、由布市が205人で3位と、昨年と同じ順となりました。
これまで、移住希望者のニーズに応じたきめ細かな手厚い移住支援策を、市町村としっかり連携して実施してきたことが、この結果につながったものと捉えています。
なお、移住対策を本格的に開始した平成26年度にはわずか292人であった移住者数は、この10年間で累計1万人(10,722人)を超え、少なからず社会増へ貢献していると思います。
今後も引き続き、市町村とともに移住定住促進策に、しっかり取り組んでいきます。
配 布 資 料:移住者数の推移 [PDFファイル/116KB]
令和5年度農林水産業への新規就業者数について
令和5年度の農林水産業への新規就業者は、農業285人、林業107人、水産業75人となり、合計467人と、7年連続で400人を超え、堅調に推移しています。
ファーマーズスクール、林業アカデミー、漁業学校などの研修体制の整備や、地域での支援が、新規就業者の確保につながっていると考えます。
近年の傾向として、新規就業者のうち、農業法人等への雇用就業者が約4割を占め、また、女性の新規就業者が約2割の92人と、令和4年度の72名より20人増加しています。自営就業者とともに、雇用就業者や女性就業者も、大分県の農林水産業を支える重要な担い手となっています。
今後も、積極的に農林水産業の魅力を発信するとともに、就業相談会の実施や就業体験の機会提供、女性の就業支援、子育て世帯への支援などに取り組み、農林水産業の新規就業者の増加を目指したいと考えています。
配 布 資 料:令和5年度農林水産業の新規就業者数の状況 [PDFファイル/205KB]
第19回大分県障がい者スポーツ大会について
障がいのある方々が一堂に会する県内最大の障がい者スポーツのイベント「第19回大分県障がい者スポーツ大会」の開催のお知らせです。
この大会は、障がいのある方が希望と勇気を持って自立をして社会に積極的に参加する意欲を喚起するとともに、障がい者スポーツの普及、そして障がいに対する理解を深めるということを目的に実施をされておりまして、今回が19回目になります。10月に佐賀県で開催される「第23回全国障害者スポーツ大会」への大分県派遣選手の選考も兼ねています。
今大会は、4月7日(日)に先行開催したアーチェリー競技を皮切りに、5月25日(土)のボウリング競技まで、個人種目の全7競技を開催することとしており、延べ約1,200名の選手が参加します。私も、5月18日(土)にレゾナックドーム大分で開催する陸上競技とフライングディスクの合同開会式に出席する予定にしています。
開催に合わせて、来年11月に国内初開催となる東京2025デフリンピックのPRブースや、Google社による視覚障がいのあるランナーのランニング支援アプリの体験コーナーを設置しています。このコーナーでは、スマートフォンのカメラによって地面に引かれたラインを認識し、画像認識のAIにより、音声シグナルなどを送信します。その情報に基づいて走れば、コースから外れないで走ることができるシステムです。
その他にも障がいのある方々が制作した工芸品の販売、キッチンカーの出店等も予定しています。
県民の皆様にも、この機会に会場に足を運んでいただき、目標に向かって全力を尽くす選手たちへの声援をお願いするとともに、障がい者スポーツの魅力を知る機会にしていただければと思います。
配 布 資 料:第19回大分県障がい者スポーツ大会 概要 [PDFファイル/102KB]
Project Guideline [PDFファイル/858KB]
芸術文化イベントについて
5月に行われる芸術文化関係のイベントについてご紹介します。
5月18日(土)から7月15日(月)まで、大分県立美術館で、「没後 50年 福田平八郎展」が開催されます。
この展覧会は、日本美術の伝統を継承しながら、独自の手法で近代的な新しい日本画の世界を切り開いた福田平八郎の画業(がぎょう)を紹介するものです。
「漣(さざなみ)」をはじめ、「鯉」、「花菖蒲(はなしょうぶ)」、「雨」などの代表作を含む、初期から晩年までの100点を超える作品とともに、画家のみずみずしい感動やユニークな目線を伝えるスケッチ類も紹介しており、名作誕生の背景を探ることができます。
次に、県立総合文化センターのiichikoグランシアタとiichiko音の泉ホールは、令和5年4月1日から13か月半に渡る天井の耐震補強工事を行ってまいりましたが、5月18日(土)にリニューアルお披露目式を開催し、5月19日に行われるアルゲリッチ音楽祭、「デュオの世界~一期一会 アルゲリッチ&クレーメル」がこけら落とし公演となります。
休館中は、大変ご不便をおかけしましたが、今回の工事では、利用者の皆さんから特に要望が多かった女性用トイレの拡充や、車椅子席の増設などのほか、多彩なステージ演出に対応できるデジタル制御盤の導入等も行いました。これにより、高い音響性能を維持したまま、これまで以上に魅力的なホールとなりましたので、県民のみなさんに、より充実した公演をお楽しみいただけると考えています。
なお、リニューアルオープンを記念して、芸術文化スポーツ振興財団が主催する6月9日(日)の「ウィーン少年合唱団」と、9月23日(月)の九州交響楽団による「レクチャー付きオーケストラコンサート」の2つの公演を対象に、県内親子500組、計1,000名を無料招待します。
また、10月には、無料で楽しめる海外演奏家による国際音楽クラシックコンサートを国際音楽交流協会と連携して開催します。
さらに、県内各地で「まちなかアートフェスタ」を、デスティネーションキャンペーンや別府アルゲリッチ音楽祭に合わせて開催します。
メインイベントは、5月19日(日)に大分市中心部で行う、県内外のアーティストによる演奏やワークショップ、アート作品の展示販売などです。
大分駅前ステージでは、小澤征爾さんとアルゲリッチさんが共演した別府アルゲリッチ音楽祭のフィルムコンサートや、小澤征爾さんと親交の深かった辰巳琢郎さんによるトークショーなどを行います。
その他、6月2日(日)に別府駅構内で、6月5日の「マルタ・アルゲリッチの日」を記念したイベントを開催するほか、大分空港をはじめ県内6か所で、ミニコンサートなどのアートイベントを開催しますので、楽しみにしていただければと思います。
配 布 資 料:没後 50年 福田平八郎展 [PDFファイル/1.1MB]
県立総合文化センターのリニューアルオープンについて [PDFファイル/343KB]
大分まちなかアートフェスタ2024について [PDFファイル/327KB]
広域交通ネットワークのパンフレットについて
この度、大分県の広域交通ネットワークのパンフレットを作成しましたので、お手元にお配りし、ご紹介します。
1ページ開けていただくと西日本の地図になっており、さらに折り込み部分を広げていただきますと、九州の強みや、本州四国連絡橋のさらなる活用、リダンダンシーの確保など、それぞれのテーマについてのデータを入れコンパクトにまとめたパンフレットとなっております。
一番左の青い部分に記載があるように、この広域交通ネットワークをしっかり整えていくことにより、例えば大分や四国など、地域的な活性化にはもちろん、広域交通ネットワークの研究会でも言われましたとおり日本全体に大きな効果が発生するということが期待されます。
また1割経済と言われております九州の強みですけれども、例えば、集積回路でありますと全国のシェアの44.6%を生産しております。
加えて、農業産出額は20.2%などの強みがありまして、九州地方知事会におきましても、こういう強みを生かして、全国の中での九州の役割、新生シリコンアイランドの形成でありますとか、フードアイランド九州の形成に向けてさらなる努力をしていこうということが申し合わされております。
こうした九州の強みを生かす上でも、広域交通ネットワークが整備されますと、サプライチェーンの強靱化でありますとか販路拡大、さらには、広域の観光周遊ルートが形成されるという効果も期待されます。
これまでの1年間での議論や研究会、シンポジウム、九州地方知事会等で議論されたものをまとめてパンフレットにしましたので、こちらを活用しながら様々なところで議論を深めていきたいと考えております。
例えば、5月22日に「関西のインフラ強化を進める会」のシンポジウムが開催されます。こちらのパネリストとして国土交通省の近畿地方整備局長をはじめ、中国地方整備局の副局長、四国と九州それぞれの地方整備局長が参加し、土木学会の会長であった谷口さんの特別講演も行われます。新国土軸の構想に向けて議論が行われるなど、様々なところで議論が活発化してきていると感じております。
このような議論をさらにこちら側から喚起をするという意味でも、このようなパンフレットを活用しながら、また何より、県民の皆さんと議論をする上での材料として活用していきたいと思っております。
配 布 資 料:広域交通ネットワークパンフレット [PDFファイル/4.5MB]
記者質問
移住者数の増加
(記者)
令和5年度の1,714人増の数値が過去最高値で間違いないか。
(佐藤知事)
平成26年度より記録開始し、過去最高で間違いありません。
(記者)
右肩上がりで増えている要因は。
(佐藤知事)
各市町村が移住支援策を積極的に行っている成果が出ているのではないでしょうか。
加えて、移住支援金の支給実績についても、令和4年度の103人から令和5年度は173人と活用が進んでいますし、仕事がなければ移住できないこともあるため、ITのスキルアップや医療・福祉のスキルアップなどを支援する移住推進のための事業を活用していただいており、施策効果が出ていると感じます。
一方、コロナ禍において、地方での暮らしや地方での働き方、ネット環境での仕事の整備が進んできたことに加え、転職なき移住という新たな選択肢も広がっており、県では企業に対して、こうした働き方を提案しています。
現在は、地方回帰の機運が若干減退しているところもあるため、今後のトレンドを注視する必要がありますが、引き続き移住者数を伸ばしていきたいと思います。
(記者)
移住元や移住先などトレンドの変化はあるか。
(企画振興部審議監)
移住元としては福岡県からの移住が一番多く、次に首都圏、3番目は福岡県以外の九州・沖縄からとなっています。
移住先として、令和4年度から大分市が増加していますが、その要因は、仕事と子育て、生活利便性のバランスが良いことだと考えられます。
ゴールデンウィーク期間中の観光動向
(記者)
昨年より多かったものの、コロナ前の水準まではなかったとのことであるが、受け止めと今後に向けた考えは。
(佐藤知事)
賑わいが戻ってきたと感じています。コロナ前の令和元年は10連休があったことから、その要因を除けば、戻ってきている印象を持っております。
施設についても、玖珠町の日本童話祭や杵築市のるるパークなど、中心部から離れたところも増えており、そうした意味で賑わいが戻ってきていると感じます。
DCも行っているため、こうした傾向がさらに継続するような魅力発信の取組は重要ですので、引き続き努力していきたいです。
広域交通ネットワーク
(記者)
元々こうしたパンフレットや資料はあったのか。
(佐藤知事)
大分市のときに作っていました。その後、九州地方知事会などで発表いただいた内容があります。
九州と四国が繋がると、国際競争や、食の安定供給など、どういったメリットがあるのか、これまで発信されておりませんでした。今後、国のプロジェクトとしていただけるよう、より発信力があるパンフレットとして作成したところです。
新生シリコンアイランド九州の実現やフードアイランド九州の推進など、九州地方知事会での話を織り込み、広域交通ネットワークの必要性を入れ込んだ内容になっています。
(記者)
今後の機運醸成について進めたいことは。
(佐藤知事)
ここに記載がある検討課題についてしっかり議論しながら、県内での機運の醸成、四国や宮崎県、福岡県との連携もしっかりしていきたいと思います。豊予海峡の協議会については大分県と愛媛県が代表理事になっています。
(記者)
パンフレットの表紙に大分以外の「九州」「四国」「関西」と大きく書いているが、その狙いは。
(佐藤知事)
広域交通ネットワークですので、「九州」「四国」「関西」に加えて、瀬戸内を含む中国地方も大きく関連しています。また、リダンダンシーの議論をする時には、過去の災害において、関西と九州の間では、山陽道や山陽新幹線が寸断されることが多くあります。そういう時に、関西から四国を通って九州に入ってくるルートが確保されれば、災害に非常に国土づくりになるのでなないかと思います。そういう意味で、この「九州」「四国」「関西」を書いているということになります。
さらに言うと、東京・名古屋・大阪では、リニアにより1時間で結ばれるスーパーメガリージョン構想がありますが、各地域のメガリージョン等がネットワークをつくり繋がれば、国際的な競争力のある日本が形成されるといった考え方もあります。
さらにもうひとつ、現状、九州の入口として福岡のみとなっているところに大分も加わることによって、西日本におけるメガリージョンに大分も大きな役割を担うことができます。
(記者)
どういったところで活用予定か。
(佐藤知事)
広く県民の皆さまにもシンポジウムや説明会でも配布したいと考えています。また、議員の方や市町村に加え、国会議員の方にも配布するなどして国のプロジェクトとして行ってもらうために活用していきたいです。
国会でも10数年ぶりに豊予海峡が話題となっているため、国際競争力強化のためにも、国全体に広げるためにも活用していきたいと思います。現在3,000部印刷済であり、必要に応じて追加していきたいです。
ホーバークラフト
(記者)
先月、3回目の事故があったが、改めて事故が続いていることに対しての知事の受け止めを。
(佐藤知事)
安全第一として秋の就航を願っています。事故について3回目はこすっただけと聞いており、運航に支障がない軽微なものでしたが、徐々に運転技術も向上していっていると期待しています。
しかし、利用者に不安を与える要因になるため、安全に運航いただくことを基本だと考えています。開業時期について、予定どおり開業されることを期待していますが、いずれにしても安全第一を前提として準備を進めていただきたいと思います。訓練については、現状は予定どおり進められていると聞いています。
(記者)
今回、警察には事故として届け出ていると聞いているが、県有財産が破損したことに対して県から会見等の自発的な発信がなかった。行うべきではないのか。
(佐藤知事)
今回の事故については極めて軽微なものと認識していました。ご指摘を踏まえて、今後どのような場合に県から発表を行うかについては整理していきたいと考えています。
(記者)
事故として表現もあり、県民から不安の声もあるが、秋就航の判断時期の目安は。
(佐藤知事)
順を追って、運航ダイヤや料金の設定を進めていくことになります。現状は、内々のスケジュール感はあるので、それが予定どおりに進められるかで決まってくるということになると思います。
(記者)
先日のホーバークラフト内覧会の応募者が10倍以上の競争率と聞いたが、どのように受け止めているか。
(佐藤知事)
県民の皆さまからの期待や関心の高さがうかがえます。そうした意味でも予定どおりの就航を願いたいと思います。