令和6年3月1日知事定例会見
動画は「おんせん県おおいた公式」へ
日時:令和6年3月1日(金曜日)13時30分~
場所:第一応接室
記者会見時に配布した資料を掲載します。
令和6年能登半島地震について
能登半島地震発生から2か月が経ちましたが、まだ多くの方が避難をされており、復旧に向け懸命な取り組みが続いています。
このような状況の中、大分県には、住家の被害認定調査業務を行う職員の派遣要請がありましたので、3月5日から県職員4名、市町村職員2名、合わせて6名を派遣する予定にしています。
また、1月12日から七尾市に派遣している保健師チームは、活動期間延長の要請がありましたので、3月末まで現地で活動する予定になっています。
教育関係では、輪島市などの中学生が2次避難をしている白山市で、学習指導を行う指導主事を2月26日から派遣しています。
また、県警からは、防犯パトロールを行う部隊を継続して派遣をしており、2月24日からは、安否不明者の捜索活動を行う広域緊急援助隊22名を派遣しているところです。
このほか、被災地ではライフラインがまだ寸断されていますので、大分市と大分市管工事協同組合が、輪島市に漏水調査、水道管の修理を行う応急復旧班を2月28日から派遣しているところです。
県職員、教職員、警察官、市町村の職員合わせて、延べ207人を派遣しています。市町村職員はそのうち63人です。
引き続き、市町村等と協力しながら、職員派遣などの支援に取り組んでいきたいと考えています。
配布資料なし
「価格転嫁の円滑化に関する協定」の更新について
昨日の大分県政労使会議では、宮崎厚生労働副大臣にもご出席いただき、活発な意見交換が行われました。
その中でも賃上げの実現のために、労務費などの経費の上昇を適正に価格転嫁するということが欠かせないという議論がありました。
資料の「(1)協定の概要」に記載しているとおり、本県では昨年2月に、九州では初、全国では埼玉県に次いで2例目となる「価格転嫁の円滑化に関する協定」を13団体で締結し、他県に先んじて価格転嫁の取組を進めてきたところです。
これまでの成果として、価格転嫁を全部又は一部できたという企業の割合が、2023年春の調査の63.8%から、2023年秋の調査では、67.1%に改善しています。
また、国が進めるパートナーシップ構築宣言の宣言企業数も485社と、九州では福岡に次ぐ第2位となっています。
その一方、価格転嫁を実施できていないと回答した企業も未だ19.7%に上るなど、さらなる取組が求められます。
このような状況を踏まえ、3月末で期限切れる本協定を、令和7年の3月末まで更新をすることとしました。
3月13日には、参加団体の代表者に集まっていただき、協定の更新に係る署名式を行います。
引き続き、成長と分配の好循環の創出に欠かせない価格転嫁の円滑化に向け、関係機関・団体と連携をして取り組んでいきます。
配布資料:・「価格転嫁の円滑化に関する協定」の更新について [PDFファイル/68KB]
第24回別府アルゲリッチ音楽祭について
第24回別府アルゲリッチ音楽祭について3月9日からチケットの一般販売が開始をされます。
今年の別府アルゲリッチ音楽祭は、県内では5月11日のビーコンプラザでのコンサートを皮切りに開催されます。
4月1日からの福岡・大分デスティネーションキャンペーン期間中になりますので、音楽祭のメイン公演のひとつとなる5月19日に、大分駅前広場で平成29年にiichikoグランシアタで行われたで小澤征爾さんが指揮された演奏時のフィルムコンサートや、県内の芸術家によるステージイベントなどを検討しています。
多くの方が芸術文化に気軽に触れる機会となればと思います。
なお、こうしたフィルムコンサートの機会を増やせるよう、来年度、アルゲリッチ芸術振興財団が保有する音楽祭の貴重な映像データの編集作業を進め、アーカイブ化、DVD化していくことを検討しています。
アルゲリッチ総監督は、5月17日の別府、5月19日の大分、5月22日の東京の各公演に出演予定です。
特に、別府公演では、1998年以来26年ぶりとなるアルゲリッチ総監督とヴァイオリンのキドン・クレーメル、チェロのミッシャ・マイスキーのトップ・アーティスト3人による豪華ステージが繰り広げられます。
また、大分公演は、iichikoグランシアタ改修後、初の公演となり、アルゲリッチとクレーメルの二重奏やそれぞれのソロ演奏が注目されます。
そのほか、別府のしいきアルゲリッチハウスでの若手ピアニストによるリサイタルや、大分県出身若手演奏家コンサートなどの多彩なプログラムをご用意して皆様のご来場をお待ちしています。
ぜひお早めにチケットをお買い求めいただければと思います。
配布資料:・第24回別府アルゲリッチ音楽祭 パンフレット [PDFファイル/4.59MB]
県内プロスポーツチーム等のシーズン開幕について
日増しに暖かな陽気となり、県内でも様々なスポーツがシーズンを迎えます。
まずは、サッカーのJ2リーグです。創立30周年の記念の年となる「大分トリニータ」は、先月25日のホーム開幕戦でベガルタ仙台と引き分けましたが、1万6千人を超える多くのサポーターが集まりました。
昨年の観客数の平均は9千人ぐらいでしたので、今年は片野坂監督が戻ってこられたので、大変期待が高まっていると感じます。
明日はホームで横浜FCとの試合があります。
今シーズンも是非J1昇格に向けて一緒に応援していただきたいと思います。
続いては、野球の独立リーグ、九州アジアリーグです。4年目を迎える「大分B-リングス」のホーム開幕戦は、今月23日土曜日に佐伯中央病院スタジアムで、熊本県の火の国サラマンダーズを迎えて開幕されます。
昨年は内川さんが選手でプレーしましたが、プロ野球に育成でドラフトされる選手が出てきていますので、さらに頑張ってもらいたいと思いますし、リーグ優勝を目指して頑張っていただきたいと思います。
バレーボールV2リーグの「三好ヴァイセアドラー」については、今シーズン、6位ですが、残り5試合で挽回して、上位に食い込んでいただきたいと思います。
フットサルの「バサジイ大分」は1月にシーズンの戦いが終わり、4位の好成績となりました。
また、「スパークルおおいたレーシングチーム」はシーズンが始まっており、3月にはツール・ド・台湾にも出場する予定になっています。
そして、ジャパン・ラグビー・リーグワンです。大分県を第2の拠点として活動している「横浜キヤノンイーグルス」のホストゲームが、3月9日にレゾナックドーム大分で開催されます。
キヤノンイーグルスは、現在4勝3敗で12チーム中7位という状況です。今回は、8位の静岡ブルーレヴズを迎え、プレーオフ圏内の4位以内を目指す熾烈な争いとなることが予想されます。なお、キヤノンイーグルスは5月4日にも、大分で埼玉ワイルドナイツとの試合が予定されています。
県内では様々なプロスポーツチームが地域と密着しながら活動しています。県民の皆さんには、国内最高峰の迫力ある戦いを、是非試合会場でご覧いただき、魅力・感動を存分に体感していただければと思います。
配布資料:・県内プロスポーツチーム等のシーズン開幕について [PDFファイル/2.95MB]
定期人事異動について
人事異動の関係を申し上げます。
令和6年度の職員の人事異動につきましては、4月1日付になりますが、3月19日火曜日に内示を行いたいと考えています。
新年度は交通政策局の新設等の組織改正を行うこととしていますが、規模につきましては、現在作業中ですけども、例年並みの約1700人になろうかと思います。
詳細は3月19日の人事異動内示日に、改めて考え方をお示ししたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
配布資料なし
おんせん県おおいた 地獄蒸し祭in東京タワー2023 報告書(資料配付のみ)
先日、昨年11月に東京で開催した「おんせん県おおいた地獄蒸し祭り」というイベントの報告をいただきました。
このイベントは実行委員会形式で行っていますけども、東京タワーの下に大分の産品を集めていただいて、各市町村にもブースを出していただいて、3日間で約4万人の方に来ていただきました。
トラックで海水と一緒に魚を運んできて、ちょっと寒い中でありましたけども、ブリのつかみ取りを行い、大変賑わいました。
首都圏で来場者が一番多いのはこのイベントだと思いますので、報道もしていただいておりますが、改めて報告書をお配りしました。
今後も、こういう形でいろんな発信をしていきたいと思います。
配布資料:・おんせん県おおいた 地獄蒸し祭in東京タワー2023 [PDFファイル/9.2MB]
中津日田道路「三光本耶馬渓道路(田口IC~青の洞門・羅漢寺IC)の開通について
すでに国土交通省から発表されていますが、三光本耶馬渓道路 田口IC~青の洞門・羅漢寺IC間が、令和6年3月24日に開通します。
国土交通省の直轄事業ですが、例えば中津から耶馬溪までは15分ほど短縮され、距離も8.5キロくらい短縮されます。
このたびの開通は、事業者である国はもとより、これまで熱心に要望活動に取り組まれてきた経済界、沿線自治体など関係者の皆様のおかげでありますので、心から感謝を申し上げます。
中津日田道路は、東九州自動車道、九州横断自動車道と一体となって高速交通ネットワークを形成し、産業・観光に寄与する県勢発展の基礎となる重要な道路です。
加えて、災害時の「命をつなぐ道」としての機能の充実も期待されます。
引き続き、中津日田道路前線の早期完成に向けて、国とともにしっかり取り組んでいきますので、皆様のご支援をよろしくお願いします。
配布資料なし
記者質問
別府アルゲリッチ音楽祭
(記者)
福岡・大分デスティネーションキャンペーンの期間中に開催されますが、期待できるところは。
(佐藤知事)
アルゲリッチ音楽祭は、やはり大分が世界に誇るイベントの1つ、国際車いすマラソンと並び、世界に誇るイベントだと思います。
デスティネーションキャンペーン期間中に開催されますので、キャンペーンと合わせて、より多くの方にご来場いただければありがたいと思います。
今まではコンサートホールの中での開催でしたが、例えばザルツブルク音楽祭では、コンサートホールの中はもちろん、街の中でも演奏が行われ、期間中は街全体に期間中は音楽が溢れているといった取組がなされています。そういう取組を新年度からやっていきたいと考えています。
特に今年は、大変残念なことに、小澤征爾さんがお亡くなりになりましたので、小澤征爾さんとアルゲリッチが共演したコンサートの映像を、フィルムコンサートとして街の中で放映することを考えていますので、みんなで小澤さんを偲んでいただきますとともに、すばらしい音楽を楽しんでいただければと思っています。若手の音楽家にも街角で演奏していただいたりする取組ができればとも思っています。
そういう意味で、デスティネーションキャンペーンで大分に訪れた方々を、アルゲリッチを中心としたクラシック音楽でお迎えするという手法で、さらに盛り上げていきたいと考えています。
人事異動
(記者)
知事就任後はじめての本格的な人事異動になりますが、どのような考え方で行う予定か。
(佐藤知事)
人事異動の時に改めて説明させていただきます。
予算案ができ、組織改正も行う予定です。その予算と組織を実際に実行するのは人、職員でから、しっかりと実行していける布陣を作っていくという考え方で、人事異動を行いたいと思っています。
支援学校における給食死亡事故
(記者)
先ほど判決が出た南石垣支援学校での給食死亡事故について、教員の注意義務違反があったとして県に対して賠償が命じられましたが、知事としての受け止めは。
(佐藤知事)
まず、改めて亡くなられた方に対しまして、心からご冥福をお祈り申し上げたいと思います。
この事故後、教育委員会では、障がいのある児童・生徒の食事が安全に行われるように、摂食指導の手引きの作成や研修などを通じて、安全確保ができる取組をさらに強化していると聞いています。
何より、二度とこのような事故が起きないように、安全の確保に万全を期すことが重要でありますので、教育委員会には安全の確保を指示しているところであります。
判決をしっかり分析、検討した上で、教育委員会からしっかり話を聞いて、今後の対応を考えていきたいと思います。
救急安心センター事業(#7119)
(記者)
他県を見ると県が実施主体となるケースが多いが、大分市からまず始まることについての考えは。
(佐藤知事)
#7119については、先日の大分市長との政策協議の中でも意見交換をさせていただきました。
#7119を活用することにより、救急車を呼ぼうか迷う方の相談に応じることは、本当に救急車を求めている方にとって大事になりますので、こういう取組を検討していくことは意義があると思います。
これまでも、県と大分市の間でいろいろ議論をしてきまして、まずは大分市からやっていこうということになりました。
ただ、意義があることですし、県が中心になって実施しているところもありますので、実態や他の市町村の意見も踏まえて、今後大分県でもしっかり検討していきたいと思います。
まず、大分市の方で最初に取り組んでいただくことに対しては感謝したいと思います。
伊方原発
(記者)
3月7日に、大分地裁で伊方原発の運転差し止めを求める訴訟の判決が行われるが、現状の認識は。
(佐藤知事)
大分地裁の判決が予定されていますが、それについては注視をしていきたいと思います。
争点としては、地震の評価と、阿蘇山が噴火をした際にそのマグマが伊方原発まで届くかどうかというところがメインになっていると思います。
司法のプロセスの中で、伊方原発の安全性がどのように評価されるかについて、まずはしっかり注視をしたいと思います。
各地で同様の司法手続きが行われていますので、それについても注視をしていきたいと思います。
片方で、大きな地震や不測の事態はいつ起こるかわかりませんので、そういう意味では、毎年避難訓練を行っていますので、避難訓練には引き続き大分県としても協力をしていきたいと考えています。
例えば豊予海峡の議論でも、伊方町長さんは、シンポジウムのたびに、やはり陸路で避難をするというのは命の道だということをおっしゃっています。
そういう災害に強い道路、トンネルの整備も併せて、愛媛とも力を合わせながらやっていくことが必要だと考えています。
(記者)
現在の避難計画の中で、能登半島地震も踏まえ、修正を行う考えはあるのか。
(佐藤知事)
今回の能登半島地震での教訓は、ライフラインが寸断をされ、例えば救助に入っていけないとか、物資が運べないとか、避難された方々の避難が非常に長引いているとか、今までになかった事象がいろいろ起こっているということです。
そういう事象が大分で起こる可能性があるのか、大分で起こった場合、どう対応していくのかという検証を改めて行っていく必要があると思います。
そういう検証の中で、受入側として、何か用意すべきことがあるのかどうか議論もしながら、検討していくべきではないかと思います。
ダイハツ九州
(記者)
ダイハツ九州の生産が一部再開されましたが、現時点で知事の所管を。
(佐藤知事)
2か月以上の間、生産休止が続き、非常に大きな影響があったと思います。
大混乱というところまではなかったと思いますが、生産休止に伴い、例えば収入がなくなってしまうとか、働く場がなくなってしまうとか、いろいろな面で影響があったと思います。
今回1つの大きな山を越えたと思いますが、まだタフトやムーブキャンパスは生産再開していませんので、まだ影響が残ります。
県ではこれまで、相談窓口の開設や現地説明会を行ってきましたが、ダイハツ九州では直接取引のあるところには説明会を、随分丁寧にやっていただいたと思います。
直接取引のないところにも影響が出ていますので、県では緊急の融資が受けられるように、融資制度を拡充してきました。
生産が再開されてもリカバーができず、影響が非常に大きいところもあると思いますので、対策は継続していきたいと思います。
何といいましても、安全に関わることですので、安全を大前提として、生産体制を戻していただくよう、引き続きしっかり対応をお願いしたいと考えています。
(記者)
大企業への依存度が大きくなると、何かあった際に地域経済への影響度が高くなります。そういう中で、企業誘致におけるリスクヘッジについてのお考えがあれば。
(佐藤知事)
企業誘致をさらに進めていくことにより、ダイハツにも部品を納めているけれども、他社にも納めていますよという取引が広がれば、その分リスクヘッジにはなると思います。
また自動車の部品メーカーでは、北九州にはトヨタ、日産、熊本にはホンダもありますから、自動車ということであれば取引を広げてもらうということも、それぞれ考えていただけるとありがたいと思います。
自動車以外にも、家電や半導体の製造装置のメーカーにも納めているところもたくさんあります。例えば、名古屋や、大阪の東大阪では、中小企業が立地・集積していますが、そういうところが多くてそれが強みです。取引先を多角化・多様化していく取組も必要と思います。
いずれにしましても、企業誘致等によりそういう取引先を増やしていくということも、引き続き大事だと思います。
新長期総合計画
(記者)
新長期総合計画の策定について、形が見えてきたのではないかと思うが、現時点での出来栄えは。
(佐藤知事)
新しい技術の動きや予想よりも早く進んでいる人口減等を踏まえた、必要な取組についての議論ができていると思います。
人口減少はしばらく続いてしまうので、人口が減っていくことを前提とした取組もあわせてやっていかなければいけない、そういうことも含めて議論ができています。
新しいおおいた共創会議の場でも、コミュニティのあり方をどう考えるのか、市町村長と議論をしました。
各自治体に病院、公共施設等がフルセットあると安心ですが、やはりなかなかそういうことが実現しづらいとなると、ネットワーク型のコミュニティづくりをしていかないといけないというような議論がなされています。
さらに言うと、コンパクトシティを進めていかないといけないという議論も行われているところであります。
DXで言うと、高校教育について、どこにいても受けたい授業が受けられるよう、オンライン技術を使って実現するシステムづくりを令和6年度に進め、7年度から実際に始めようということで、今取り組んでいます。そのための体制も、6年4月1日からスタートします。
こどもの数が当面減ってしまうかもしれないし、先生もまたそれに見合って、以前ほどの人数が確保できないかもしれない中でも、質を落とさず、地元に住んでいても他の地域の授業が受けられ、進路選択の幅も確保できるような取組はDXがカギになろうと思いますから、そういうものに取り組んでいくという、議論ができてきていると思います。
(記者)
今回、まちづくりや広域交通網の整備など、これまで見なかった項目も出てきていると思うが、新しいポイントとして受けとめられているのはどこか。
(佐藤知事)
例えば新しいビジネスモデルや技術の中に、今まで想像しなかったような内容が、若い人たちの間から出てきています。
そういうものが、もしかしたら次の産業を作ったり、次の活力のもとになってくるところがあるのかなと感じています。
長期総合計画の委員会の中でも、若い人たちの意見や考え方などに、これからも期待をしたいと思います。
昨日もOITAゼロイチの表彰式がありましたが、老朽化が進む歯車のリプレースをするための技術はどこにもないので、そこに大きなビジネスチャンスがあるとのことです。
社会が成熟し、リプレースするようなニーズが増えているところに、またビジネスチャンスが出てきます。そういう所に目を付け、新しいニーズに敏感に反応しているビジネスモデルが出てきていますので、これからも期待をしたいと思います。